財産価額填補責任とは?発起人、設立時取締役の責任について

会社法

ここでは、発起人、設立時取締役の責任である「財産価額填補責任」(ざいさんかがくてんぽせきにん)について解説いたします。

財産価額填補責任とは

会社を設立する際に、現物出資は財産引受を行なった場合で、目的財産の会社成立時における価額が定款に定めた価額に著しく不足するときは、発起人及び設立時取締役は、会社に対し、連帯して、当該不足額を支払う義務を負います。

例えば、本来1万円の価値しかなかった現物を100万円の価値あるとして定款に価額を定めた場合などです。

これを「財産価額填補責任」(ざいさんかがくてんぽせきにん)と言います。

 

現物出資者の責任

実際に、現物出資をした発起人(本人)は、最も責任が重い張本人ですから、現物出資をした発起人本人は、原則として必ず不足している価額に対して責任を負います。

ただし株主全員が同意した場合に限り、免責となります。

他の発起人及び設立時取締役の責任

現物出資をした発起人以外の他の発起人、および設立時取締役も、株式会社に対して、連帯してその不足額を支払う義務を負います。

ただし、下記の場合には免責されます。

発起設立の場合

発起設立の場合には、現物出資をした発起人以外の他の発起人、および設立時取締役については、

①検査役の調査を受けていた場合

②無過失であることを証明した場合
発起人及び設立時取締役がその職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合)

には例外として、免責されることになります。

募集設立の場合

募集設立の場合には、第三者の出資者を巻き込む形になりますので現物出資をしていない発起人や設立時取締役であっても責任は重くなります。

この場合には

無過失の立証のみでは免責とならず、

①検査役の調査を受けていた場合

のみ免責されることになります。

 

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