この記事では、会社法における「無限責任」と「有限責任」の違いについて解説いたします。
有限責任とは?
有限責任とは、責任の範囲が有限であるということです。
つまり限られた範囲でしか責任を負わないということです。
ここで言う限られた範囲とは、企業が倒産した場合、出資した金額までしか責任を負わないというもの。
会社が倒産した場合には、出資したお金は消えてしまいますが、有限責任の場合には、それ以上は責任を負わないということになります。
無限責任とは?
無限責任とは、会社が債務を負った場合には、会社の責任者がその債務の総額を全額返済しなければならないと言う責任を意味します。
無限責任においては、会社が破産などで債務(借金)を抱えた場合には、負債の総額を全額支払う責任を負います。
債務(借金)が完全に支払われない場合には個人の財産を使ってでも債務(借金)を返済しなければならないというのが無限責任となります。
有限責任と無限責任それぞれの会社形態
有限責任を前提とした会社形態
会社形態には、「株式会社」と「持株会社」の2種類の分類がありました。
さらに、持株会社の中には、「合同会社」「合名会社」「合資会社」の3種類の分類があります。
この中で、有限責任を前提とした会社組織形態は、「株式会社」と「合同会社」です。
株式会社においては、株主は出資した金額までしか責任を負うことはなく、会社が債務を負っても個人の財産を使って返済するような義務は発生しません。
合同会社においては、やはり社員(出資者)は自身が出資した金額まで責任を負い、それ以上の責任を負うことはありません。
合同会社では、社員は出資金を事前に払い込むため、その範囲での責任を負うということになります。
無限責任を前提とした会社形態
無限責任を前提とした会社形態は、「合名会社」と「合資会社」です。
「合名会社」においては、すべての社員が無限責任を負います。
「合資会社」では、無限責任社員と有限責任社員の両方が存在します。
無限責任においては、出資金という金銭的な出資のみならず、労働力を提供する「労務提供」や、信用の提供といった出資についても認められています。
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